映画 AMY を見て

エイミーワインハウスのドキュメンタリー映画。

見終わった後に、何ともやるせない気持ちになる。

父親が悪い。元旦那が悪い。マネージャーが悪い。。というのは簡単なんだけれど、父親も元旦那も、マネージャーの事も選んで拒否しなかったのはエイミー自身なんだ。

かといってエイミーが悪い、自業自得だよ。というのも切なすぎてそう簡単には思えない。(愛した人のことを、お金や薬だけの関係じゃない。運命の人だと思っただろうし、そう信じたかったんじゃないかな。)

20代でいきなり大スターになって、関わる人もお金もあっという間に巨大になって、エンターテイメントの世界を何もわからない女の子が、たとえ自己主張をしたとしても聞いてもらえたかしら。

でも、決してたんなるジャンキーな女の子がいきなり大スターになったわけではない。彼女自身
”私には音楽しかない。ただ音楽をしたいだけ”と言うように、本当に音楽にはまじめで、周りの人間がびっくりするぐらい、音楽の知識も豊富で努力もして才能もあって、自分はジャズシンガーだというプライドもあったのに。。。。何でかな。。。

私が留学していた時、ドイツのヒットチャートやMTV、オーストリアのヒットチャートや音楽番組、ラジオでも毎日エイミーの曲が流れていた。あの声と音楽にみんな魅了されていた。

本人が亡くなっても作品は残るなんて、そんなことはどうでもいい。

もっともっと彼女が好きだった音楽で作品を残してくれなければ。ジャンキーなババぁになっても歌い続けて、もっと沢山の人を熱狂させてほしかった。

でも、彼女が心の底から求めていたのは、たくさんのファンや聴衆じゃなかったんだろうね。

見捨てないで裏切らないで、誰かにそばにいてほしかった。。。なのに、亡くなったときはたった一人。誰にも看取られず、助けられることもなく。

この映画を見てから、夫とエイミーの音楽を聴いたり、エイミーのことを話している。自然と話したくなっちゃう。それくらいこの映画は良い作品でした。