留学。つづき。。

前回の続き。。

日本では、間違えないように、ノーミスで技術的にパーフェクトに。。技術的な曲を鮮やかに早く!難しいとされる曲を頑張らねば!と思って頑張って頑張って練習していました。

それでも技術的には全然足りていないと思っていました。

でも、留学時代は技術的なことは一切言われませんでした。技術的なことは十分だから、音楽をしろと。

この ”音楽をする”  という言葉を常に言われました。

日本と違って一番大変だったのが、毎回のレッスン、暗譜をして曲を持っていくのがが当たり前だったこと。ただ暗譜しただけでは怒られるし。一回目のレッスンからキチンと音楽的に創っていかないとレッスンをしてもらえない。

音楽を創るって、ただ必死に指を動かすのではなくて、まずは楽譜を穴があくぐらい読む。クラシックは、いわば再現芸術なので、楽譜に書いてある通りに演奏しないといけません。楽譜に書いてあることが全てです。

なんでこの調性なのか。スラーはなぜここまで伸びているのか。この休符はどんな意味を持っているのか。そもそもなんでこの曲を作曲者は作ったのか。等々。。
それに、ピアノで演奏するからといって、ピアノ曲だけ知っていてもだめなんです。交響曲もオペラも室内楽も。。色々な曲を聴いて考えないといけない。

レッスンの度に恩師はたくさんの交響曲、オペラ、歌曲、室内楽などの音源をくれました。

上手にきれいな演奏。。それではないんです。

常に新鮮な新しい発見のある音楽。それを楽譜から読み取る。

でも、音楽的に創るには技術は必要です。技術がなければ音楽的といっても限界がある。

日本で学んだことは大切でした。日本で学んだことがあったから、ヨーロッパでもいろいろ学べたんだと今は思います。

日本で学んだこととヨーロッパで学んだことをもっともっと磨いていかないと。。

まだまだなので、だから音楽って面白いって思います。